キミノカケラワタシノカケラ

少しずつ。前に進まなければならないのか?

お誕生日おめでとう

両手に余ってしまうほど小さいのだと。

14年前に知りました。

台風と共に私の腕の中に。

 

 

その彼は。

 

 

 

 

今は見上げるほどに大きくなりました。

 

 

 

 

朝寝過ごした。

今日は仕事が無かったから。

朝部があるのに目が覚めたら6時20分。

 

朝私が慌てて起きたら息子はまだ寝ていて。

娘は起きて学校の支度をしていて。

 

 

○○!6時20分!起きて!

あと、お誕生日おめでとう!!

 

 

 

という私に。

 

 

 

時間を聞いて飛び起きた癖に。

何時もならなんで起こさねーの?遅刻やん!

くらい。

 

吐き出す癖に。

 

 

 

 

いきなり弾けたように笑い、ベッドの上で。

 

 

ついでみたいに言うなよ、お母さん。

ありがとう。

 

つうか、送って。間に合わんけ。

 

 

 

と、私を部屋から締め出し支度を始めた。

 

 

 

 

 

お誕生日おめでとうと。

あと何回朝から言えるだろう。

高校生までは言えるだろうか。

大学は手元から離れる気がしている。

 

 

烏滸がましくも。

私の息子は良い子だ。

 

 

きつい反抗期では無いけど、やはり反抗期だし。

イライラしたりさせられる事もあるけど。

それでも時々思うのだ。

 

 

ああ、もう抱きしめて甘やかす事も眠る事もできないけれど。

寝ている顔だけは変わらないなあと。

 

 

 

大きくなっても息子と娘が私の子供でいてくれる事。

私の人生の大半は幸せで埋まるだろう。

小さかった息子が14歳になる。

神様の子供だった10歳までから四年が経ち。

 

 

 

彼は自らの力をつけている途中。

 

 

 

なりたい物の一番は父と同じ仕事。

二番は私の仕事。

 

何よりも私たちの影響を受けて育つ息子に。

 

 

やりたいことをやりなさい。

と言ってみたら。

 

 

 

お父さんは俺に何度も考えろとか辞めとけとか

他にいい仕事たくさんあるとか言う。

と笑いながら。

 

でもお母さん。

俺はなるよ。

お父さんと同じ場所では働かないけど。

俺はお父さんと同じ仕事に就く。

 

 

ああ、変わらない。

 

 

 

頑なにではなく。

 

 

 

今の時点で決めている彼の清廉な想いは。

きっと彼のものだから。

 

 

学校でも人に囲まれて、友達も沢山いて。

実行委員や生徒会活動もやる様になり。

彼は人のためにも自分の為にも心を砕く。

 

 

部活も続けて、習字も続けて。

 

もう毎日がパニックになるくらいの忙しさを。

 

 

 

 

彼は飄々とすり抜ける様に泳ぐ様に。

 

 

 

合間に塾をこなし、課題を済ませて22時に寝る。

 

 

 

…早くねすぎやね?というと。

 

俺は睡眠取らないと暴れるで。

 

 

 

と、笑う。

 

 

 

今一番強い反抗期の様なものは去年の秋から冬で。

彼は毎日毎朝呪詛を吐きながら起きてきた。

朝学校に行くまでにひとしきり私に当たり散らし。

そして時間が来たらスイッチを切り替える様に

学校に行く。

 

 

いつか電源切れるんじゃね?

 

 

と、不安だった。

 

 

 

春になり。

睡眠時間を増やしてみたら。

 

反抗期は収まってきた。

 

 

眠かっただけかも知れない←え。

いや、話を聞いたからか…と思う。

 

 

 

不安定な思春期を。

彼は彼で苦しみながら消化している途中。

私はそれをただ見ては。

 

理不尽に当たられてもただ聞いて。

とりあえず聞いている。

 

 

穏やかになって行く。

穏やかになりつつも彼は世界を広げる。

 

 

スマホを持ち、使いこなし、友達ももう

私の知らない子が多い。

今年の夏は娘と二人で九州から特急と新幹線を

乗り継ぎ岡山に帰って来れた。

 

 

少しなんでも一人でできると思いがちながら。

 

 

 

群れずに一人でも行動も出来るし。

大人数で遊ぶ事もできる。

 

 

バランス感覚が必要なこの子達の年代において。

 

 

 

少し俯瞰に見ながら、大人びている息子は。

 

 

不器用ながら泳いでいる様だ。

 

 

 

 

毎日笑顔で帰ってくる。

楽しかったと。

毎日、学校の話をする。

楽しかったと。

 

 

きっと話せることしか話さないこの中で。

 

 

彼の表情を見ながら慎重に見極める。

 

 

 

 

 

そして毎日安心している。

 

 

 

 

ああ、本当に楽しかった顔だと。

 

 

 

 

苦しいことは話さない。

でも、辛い事は上限を越えれば話す。

その狭間の事はお互い触らず。

 

 

彼のヘルプがあるのか無いのか。

 

 

 

 

それだけを見極めようと毎日彼と話をする。

 

 

 

 

毎日話す事を当たり前にせずに。

ちゃんと目を見て、顔を見て、手を止めて。

彼と話をする時間を10分でも真剣に作ったころから。

 

 

 

落ち着いた反抗期(笑)

 

 

 

 

話をするよりも。

話をただ聞いている。

それが大事だったかも知れない。

 

 

まだ手探り。

きっといつまでも手探り。

子育てなんてわからないままだ。

でも、私の息子だ。

 

つ。と年齢を数える9つまで…

神様の子は10歳になれば自分に戻る。

つ。と、歳を数えるまで手を離さず目を離さず

神様に奪われない様に大事に育てた。

 

 

彼自身に戻る10歳からはお預かりしている

期間を経て彼を大人まで見守る時間。

まだ四年。

そして彼は彼自身になっていく。

 

 

いつか私の手を必要とせず。

 

 

彼は一人で歩き、いつか伴侶を得て。

そして彼が背負っていく。

 

 

 

私のものでは無い。

愛おしいけれど、私のものでは無い彼自身。

そう言い聞かせて育てている。

 

 

いつまでも愛おしいけれど。

彼を一人の人として、尊重したい。

理不尽に当たられても。

こちらの言い分は伝える。

 

 

私の理不尽も。

彼に正直に伝える。

 

 

 

そうやって、お互いが同じ1日も違わず。

 

 

 

親子でいる。

 

 

 

 

毎年思う。

彼が息子で良かった。

きっといつの世界でも。

どの時代でも。

 

 

 

私は彼の母でありたい。

 

 

 

 

世界を広げることに怯えるな息子よ。

 

 

 

 

あなたはこれからどこにでもいけるし

何者にだってなれる。

 

 

全部が手の中だとは言わない。

 

でも、望んで選んで努力すれば手に入る事は無限だ。

 

 

あなたが望む事は。

 

 

 

あなたの全てになるから。

 

 

 

 

あなたの幸せは私の幸せだ。

あなたが笑えば私も幸せだ。

 

 

あなたは嫌だと笑うかも知れないけど。

 

 

 

 

 

私はやはり、幾度生まれ変わろうとも。

あなたの母でありたい。

 

 

 

お誕生日おめでとう。